続おばちゃんDAYS

元給食調理員、現販売員たき子のオオサカのおばちゃんブログです。大学生の息子との二人暮しを楽しんでます

豚かたまり肉が箸で切れる!意外なあの電化製品で低温調理してみた

こんにちは、たき子です。

 

今日はちょこっと本格的な低温調理に挑戦してみましたよー。

 

 

 

 

低温調理が人気

低温調理の代表格といえばローストビーフだけど、最近では鶏むね肉をお湯につけたまま放置したりと、低温調理が人気よね。

 

そもそもなぜ低温調理が人気なのかと言うと一つは美味しいから、栄養の損失が少ないから、そしてもう一つはほったらかしておける(手軽で失敗が少ない)からだと思うの。

プロの料理人が長年修行して到達できる微妙な火加減や経験に基づいた食べ頃の火の通し方なんて素人にはできないじゃん。

だけど特別なテクがなくてもプロに近い味を家庭で味わえるというのが低温調理の醍醐味なんじゃないかな〜。

 

低温調理器の普及もあってますます調理のハードルは下がったけど、残念ながら低温調理器なんて持ちあわせてない。

器具無しで作るのは温度管理が難しいよね。。。と諦めかけていた時ふと思いついて、実家から持ち帰った“あの”電化製品で低温調理を試してみたら予想以上に上手くいったんだ〜♪

 

肉の性質

低温調理の前に、まずは肉の性質についておさらいしてみようかな。

 

肉にはミオシンアクチンコラーゲンと言う3種類のタンパク質があってそれぞれの性質が違うんだよね。

○ミオシン 50℃以上で弾力と甘みが出る

○アクチン 60℃以上で色が変わりパサパサになり硬くなる

○コラーゲン 68℃でゼラチン化、60℃以上ではゆっくり変化し長時間加熱することによりトロトロになる(スジ肉など)


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つまり旨味を引き出し柔らかくするためには50〜60℃で調理するのがベストだっていうことなんだけどここで問題が出てくるんだよなー。

それが食中毒のリスク。

 

推奨されている加熱温度

サルモネラ菌や腸管出血性大腸菌(O157など)などによる食中毒の危険を回避するため厚生労働省では中心部を75℃で1分以上加熱が推奨されているのよね。


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えっ!低温調理アカンやん。。。と諦めるのは早計よ。

同じく厚労省のQ&Aにこんな記載がある↓↓


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「75℃、1分以上」と同等な加熱殺菌の条件として「70℃、3分」「69℃、4分」「67℃、8分」「66℃、11分」「65℃、13分」が妥当と考えられる。

 

よっしゃ、60℃に近づいてきた!

 

食中毒リスクの回避は重要なポイントなので、興味ある方は厚生労働省のホームページ「お肉はよく焼いて食べましょう」をご参照くださいねー!

ただし、この基準は飲食店向けであり家庭に対してはそこまで厳格な温度基準は書かれてなかったんたけど家庭でもできるだけ近づけるほうが懸命だと思ってる。

なお、基準の温度はあくまでも中心温度だから、実際の加熱時間は肉の厚みによって大きく変わってくるのよね。

また、20〜50℃は菌が繁殖しやすい温度なので低温調理後は冷蔵保存することも大事よー。

 

それじゃ前フリ長くなっちゃったけど低温調理の備忘録いってみよーー♪

 

備忘録『低温調理で塊豚肉を加熱』

今回使用したのは4cm厚さの豚肩ロース肉。


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軽く塩胡椒して高密度ポリエチレンのポリ袋に入れたら、水に沈めてできるだけ空気を抜くようにしながら口を硬く結びます。


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真空に近い状態を作るのがミソよー。

日本では低温調理だけど海外では真空調理って言われてるそうだしね。

 

そして、ここで秘密兵器登場(*´艸`*)

その秘密兵器とは湯沸かし保温ポット

98℃、90℃、80℃の他に赤ん坊のミルク用60℃の温度に設定できるのを思い出したんだよね。

捨てなくて良かった♡


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但し一度沸騰してから温度が下がるため最初から入れず(ゆだっちゃう!)沸騰後65℃まで下がってから肉を投入したの。

 

この状態で20時間キープ。


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20時間は長すぎるような気がしなくもないけど推奨されている65℃を下回っているからね。念のため時間を長くしてみた。


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前日夜に仕込んで翌日の夕方に取り出した。思ったより肉汁出てるなあ!


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肉汁はアクを濾してスープに。


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肉は高温でさっと表面に焼き色をつければ低温調理で加熱した豚肉の完成ー!


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今回は初めての試みだったしね、肉の色もちゃんと確かめたかったからシンプルな塩コショウ味だけど醤油で下味つけてチャーシューにしても美味しいだろうなあ!

 

赤字漬けを添えて食べてみましょう〜♪


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おお!ほんのりピンクでしっとりしててジューシーで箸で切れるほど軟らかい!

大成功と言っていいんじゃないかなあ(*^^)v

ゆで豚でも焼豚でも蒸し豚でも得られない独特の食感と味わいが絶品でした♡

近いうちにこの方法でローストビーフを作ってみたいなあ!

 

ピリリと美味い赤字漬け

ところで今回の豚肉に添えた赤字漬けはこちら。


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三升漬けとも言うのかな。

三升漬けっていうのは、青なんばん(ピーマンみたいな野菜)・麹・醤油をそれぞれ、一升ずつの分量で漬け込んだ保存食で、北海道や東北地方の郷土料理なんだって。


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開封したときシュワシュワしたから腐らせちゃった!?って思ったら発酵してただけだった(*´艸`*)


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これすっごく美味しい!

ピリっと辛いんだけど麹独特のコクがあって、少し甘味もあって何にでも合いそうな味。


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冷奴に添えたり、


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茹でたホウレン草に和えてみたり。

夏場は素麺の薬味にしても美味しいと思うわ。

物産展で見かけたら買いよ(*^^)v