続おばちゃんDAYS

元給食調理員、現販売員たき子のオオサカのおばちゃんブログです。大学生の息子との二人暮しを楽しんでます

赤い鞄で学習した、物分りの良いふりをやめるという事

こんにちは、たき子です。

 

鞄を買いました。

昨年暮れに友人のマダムから頂戴したユーズドの鞄、気にいっていたのだけど古かったようであっという間にボロボロになってしまったのよね。

合革が鱗みたいに剥がれ落ちだしてこりゃダメだと。

 

 

 

 

 

一目惚れの赤い鞄

ところがこれまで使ってた鞄はすでに処分したので代わりがない。

一つダメになったぐらいで代わりがないなんて不思議に思われるかもしれないけど、鞄って嵩張るから何個もあると置き場に困るじゃない。だから必要最小限のしか持ってないのよ。

 

どんな鞄にしようかなあ。ブランドにこだわりはないけど気に入ったものを持ちたいというこだわりはある。だって買ったらきっと毎日使うから(いちいち持ち替えるのは面倒なので)。

そんでもって今回は長く使えるのが欲しかった。何なら死ぬまで買い替えずにすませたい。

となると革かなあ。

 

そんなたき子が一目惚れしたのがこの子。


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ノーブランドの柔らかい革でとっても軽い。

だけど最後の一点で赤しか残ってなかった。

さすがに普段使いには派手かなって迷ったんだけど、服は基本シンプルなデザインや色を好むから鞄ぐらい派手目でも良いかなって思ったのさ。

店員さんには「差し色で素敵ですよね」って言われたけど着るもの気にせず差しまくってやるわ(*´艸`*)

 

ということでこの赤い鞄が我が家にやってきたわけなんだけど買ってから気付いた事がある。

赤い鞄を持つのは人生で2度目だなって。

 

嫌と言えない子どもだった

1度目は小学生のころ。

大切にしていたお気に入りの赤いハンドバッグ。色だけでなく柔らかな皮の手触りが今回買った鞄に似てた。

だけどある日、同い年の従姉妹〇〇ちゃんが遊びに来たとき母が言ったの。

「このハンドバッグ〇〇ちゃんにあげてもいいでしょ?」って。

 

何てこと言うんだって思ったわよ。

いくら遠い岡山からめったに来ない従姉妹が来たからってたき子の大事なものをあげちゃうなんてあり得ないって思った。

たき子のお気に入りだってわかってるはずなのに。

だけど当時たき子は親に逆らうような性格ではなく嫌って言えなかったのよね。

それに、新しいの買ってあげるからとも言われて渋々了承した。

 

だけど、代わりに与えられたハンドバッグは以前のものとは似ても似つかない硬い革で茶色で全く気に入らなかった。

前のバッグより良いものだったのかもしれない。だけどなんで茶色?何でこんな硬い革?前の赤くて柔らかいバッグが好きだったのに。

お母さんは何でたき子の持ち物なのに勝手に人にあげて勝手に買い直しちゃうの?せめて一緒に選ばせてほしかった。

そう思った。

でもそれもやっぱり言えなかった。

 

物分かりのいいふりしてあげるの嫌って言わなかったことをめちゃくちゃ後悔したわ。

 

リカちゃん人形事件

もう一つ、似たようなエピソードとしてリカちゃん人形事件がある。

 

たき子は幼い頃大病を患い、親戚からお見舞いとして貰った豪華なリカちゃんセットを持っていたの。

貧乏な家の子にしては分不相応な玩具。

リカちゃんのベッド、洋服ダンス、鏡台全て木製だったから今から思えば貴重よね。リカちゃんには普段着と別に真っ白なウエディングドレスが付いていたからお嫁入り道具セットだったのかも。

 

だけど、小学生高学年になると「リカちゃんセットあげていいよね、もう大きいんだから」そう言われて四人姉妹のいる親戚にもらわれていった。

その時も嫌だったのにNoとは言えなかったの。

それでも、気にいって遊んでくれればまだしも何年か後リカちゃんの養子先は出火しリカちゃんも焼失した。

やっぱりあげなきゃ良かったって後悔したわ。

 

後悔から学んだのだと思う

そんな積み重ねで学んだんだと思う。

物分りの良いふりしたって何にもいいことなんてないって。

そしていつの間にか「嫌」と言えない性格は変貌していた。

今では、人に遠慮して自分を抑え込むなどという奥ゆかしさの片鱗もない。グイグイいく性格ではないけどいざとなれば遠慮はしない。

 

でも、嫌と言える性格は良いことばかりじゃないな。

というか損することが多い。

軋轢を生むこともある。

特に日本のように協調性を重んじる社会では生きづらい性格かもしれない。

けど少なくとも自分に正直な性格になれたんだろうという点では悪くないと思っている。対人ストレスはあっても自分の心を裏切るというストレスは皆無。

時には人間関係ぶった斬るし友達は減るけどね。

 

毎朝、人生2度目の赤い鞄を手に提げドアを開けると今日も自分勝手に生きようとアグレッシブな気分になる。

そして、かつて心ならずも手放してしまった赤いハンドバッグの代わりを自分で働いたお金で取り戻したことで、母を恨めしく思う気持ちを50年越しに回収できたような気がする。